導入事例

2021.03.01

慶應義塾大学 栗原研究室様

NVIDIA A100 搭載サーバと GeForce RTX 3090 搭載ワークステーションを導入頂きました。

慶應義塾大学理工学部 栗原聡 教授

栗原研究室の紹介

栗原研究室様は、人をサポートする共生 AI システムの具体的な社会実装・サービス化を目的として様々な角度から研究を進めています。 2025年問題として懸念されている超少子高齢化社会の日本における労働力補填、介護・障害者支援・日常生活円滑化といった課題解決ため、誰でも、いつでも・何処でも AI システムの恩恵を享受できる「人と共生 AI と IoT によるエコシステム」の実現を目指されています。

研究テーマ

① 汎用型・自律型 AI アーキテクチャ構築

人と共生できる、高い汎用性と適用性のある認知アーキテクチャを実現させるため様々な角度から研究に取り組んでいます。自律性を持つサブ認知モジュール群を複雑ネットワーク型で接続したマルチエージェントアキテクチャ(自律分散化型アーキテクチャ)と、その中核となるメタ目的を恒常的に達成させる「即応性」と「熟考性」を両立させた適応性の高いメタプランニングシステムの構築に向けた研究を行っています。

②律分散型交通信号機制御システム構築

マルチエージェントアーキテクチャは、大規模複雑システムの構築においても極めて有用であり、その代表である次世代道路交通システムにおける信号機制御に組み込むべく研究を進めています。

③系列データマイニング

Society5.0 や共生 AI システムの社会実装を進めるためには、現実世界の様々な情報をセンシングすることが必要不可欠です。しかし得られるデータは超多次元時系列のデータでここから有用な知見を抽出する手法はいまだ発展途上です。この課題を解決するため、多次元データを色相空間上にマッピングして学習に利用する方法や、群知能を適用した手法などの研究を行っています。

④ AI による自動コンテンツ生成

現在、ドラマ・映画に加え、世界的にゲーム市場が拡大しており、シナリオの供給が間に合わない状況となりつつあります。そこでライターの負担軽減という観点からシナリオ自動生成システムを開発中です。従来研究では完成したシナリオを出力することに主眼が置かれており、ストーリーの破綻を避けるため自由度が少なく多様性が失われる問題がありました。そこで、シナリオの構造的特徴に着目し、段階的にシナリオを複雑化し生成していく手法を開発中です。

  • 小説やマンガ、TV 番組や企業プロモーションといったストーリー性のあるコンテンツの生成において人が AI のサポートを受けることで、より高い創造性の発揮を可能とする AI システムの実現を目指す。
  • 人と AI とのインタラクティブなやりとりによりコンテンツを生成する。

NVIDIA A100 と GeForce RTX 3090 が AI 研究をあらゆるスケールで高速化

導入前の狙い

  • 最新の GPU を使い、現在使用しているアプリケーションを加速させるため。
  • GPU を静音仕様で使用することができないため、居室で使えるよう静音ラックを導入。
  • 最新のアクセラレータ GeForce RTX 3090 を計算と可視化、用途別に使用する。

営業担当コメント

HPC テックでは今回、NVIDIA A100 を4基搭載したハイエンドサーバ HPCT R217gg-4GP 2台と 18U 静音ラック HPCT SR80 とGeForce RTX 3090 を2基搭載したワークステーション HPCT WR17as-4GP を 6台を導入させていただきました。
AMD EPYC 7002 シリーズを採用した HPCT R217gg-4GPは PCIe gen 4 に対応しており、最新 NVIDIA A100アクセラレータ、SSD ストレージ等を前世代 PCIe gen 3 と比べ2倍のバンド幅で利用できるようになっております。 また1CPU あたり3200MHz DDR4メモリを8最大チャンネル利用可能でCPU利用の運用でも十分に性能を発揮できます。設置場所がサーバルームではなく居室ということもあり、静音ラック HPCT SR80 をご提案させていただきました。この静音ラックは特別なサイレンサー構造を採用し、静音性を犠牲にせずGPU の発熱に対する風量強化を実現しています。また、GeForce RTX 3090 を2基搭載させたワークステーションは計算と表示用途に使われるとのことでOS のインストール等を行わせていただきました。今回導入させて頂きました GPU サーバと GPU ワークステーションは最新のコンポーネントで構成されており、増設の際にも環境に大きな変更をせず運用できると考えています。例えばストレージ容量が足りなくなった場合にはまだ搭載する余裕があり、更に大容量のストレージサーバが必要になった際にも静音ラックへ増設することが可能です。
今後の使い方に応じた増設をご提案させていただきます。

栗原聡 先生    HPCテック代表 奥山義弘

導入いただいたソリューションについて

栗原研究室様は多岐にわたる AI の研究をされていますので、今回導入したサーバをどのように活用されるのか等、お聞きしました。

 

今回導入された NVIDIA A100 が搭載されたサーバについてお伺いします。
研究のどのような場面で活用されるのかお聞かせください。
特に、AI による自動コンテンツ生成で威力が発揮されると期待してます。マンガであれば新しいシナリオに加え、新しいキャラクターデザインを AI が生成する必要があり、GAN を基盤とする新しい手法を提案しようとしているのですが、そのような時こぞ NVIDIA A100 の出番です。

 

サーバ選択において重視したのは、どのあたりでしょうか?
やはり性能重視です。

 

HPC テックの静音ソリューションはいかがでしょうか?
この静音ラックはすでに研究室に導入してますので、今回のラックも期待通りの静音性があり満足してます。

 

NVIDIA GeForce RTX 3090 を搭載したワークステーションについてお伺いします。こちらのワークステーションはどのような研究で活用されるのかお聞かせください。
こちらは ITS 研究での自律分散交通制御研究のために導入しました。大規模交通シミュレーションを実施することが目的で、RTX 3090 は文字通りグラフィック描画用にも利用します。

 

最新のサーバを次々導入されていらっしゃいますが、栗原研究室が求めるシステムはどのようにお考えですか。
研究目的によりメリハリのあるサーバを導入してます。1.5TB ものメモリを搭載するサーバも導入予定ですし、500TB もの容量を持つサーバもあります。

慶應義塾大学 栗原聡研究室 ホームページ

https://www.ae.keio.ac.jp/introduction/lab-professor/kurihara/

導入システム

HPCT R217gg-4G

GPU : NVIDIA TESLA A100-PCIe
    40GB HBM2 x4
CPU : AMD EPYC 7002 Series
    32Core 2.5GHz x1
RAM : DDR4-3200 Total 512GB
SSD : 1.92TB PCIe4(OS)x1
SSD : 3.84TB PCIe4(Data)x1
OS : Ubuntu 20.04 LTS

HPCT SR80

18U 防音特化型静音ラック
GPU 計算機用改
騒音減衰量:-24.3dB(A)

HPCT WR17as-4GP

GPU : NVIDIA GeForce RTX 3090 24GB GDDR6X x2
CPU : AMD EPYC 7002 Series(16Core 3.0GHz)x1
RAM : DDR4-3200 Total 256GB
SSD : 960GB(OS)x1
HDD : 2TB(Data)x1
OS : Ubuntu 18.04 LTS

最後に

栗原先生 ご多忙な中、貴重なお時間を頂きありがとうございました。
これからも研究活動に少しでもお役にたてる様、弊社も微力ながらお手伝いをさせていただきます。

弊社では、科学技術計算や解析などの各種アプリケーションについて動作検証を行い、
すべてのセットアップをおこなっております。
お客様が必要とされる環境にあわせた最適なシステム構成をご提案いたします。